いちごの歴史
Strawberry History

いちごは、ヨーロッパやアジア一帯では石器時代から食べられていました。
しかし、今のように栽培したいちごではなく、野生の小粒ないちごで、当時は、実だけでなく、茎や葉、根も 薬として食べられていました。

実際にいちご栽培が行われたのは、今から200年ほど前に北米の東部と南米のチリで始まったと言われています。
その2系統が別々のルートでヨーロッパに伝わり、これらを交配して現在の原型が生まれました。
その後、ヨーロッパ各地で品種改良され、18世紀後半には全世界に広まっていきました。

日本には江戸時代末期にオランダで栽培されていたイチゴを長崎に船で運んできたのが最初です。 このため、「オランダイチゴ」と当時は呼ばれていました。 しかし、イチゴの赤い実が赤い血をイメージさせるとしてほとんど広まりませんでした。 その後、明治時代になってようやく本格的な栽培がはじまり、品種改良・育成が進められてきました。

日本の最初の品種は明治時代に栽培された「福羽」です。
福羽逸人博士が新宿御苑でフランスから導入したゼネラル・シャンジーを品種改良して栽培に成功しました。 これが今の日本のイチゴの基となります。 しかし、このイチゴは皇室用とされて、御苑いちご、御料いちごなどと呼ばれ、庶民の口に入ることはありませんでした。

庶民の口にイチゴが入るようになるのは昭和時代になってからのことです。
終戦後にアメリカから“ダナー”が導入されてからはイチゴの栽培が全国的に普及しました。
その後、品種改良によって「宝交早生」・「春の香」等のいちごが誕生しました。 その後もいちごの関する研究が進み、栽培方法も変化していきます。

1880年代半ばに「女峰(にょほう)」「豊の香」が生産されるようになりました。
食味の良さ、粒の大きさ等で他の品種を圧倒し、この2品種で全国生産量の約90%を占めるまでに成長しました。 その後もイチゴの品種改良はめざましく、最近では生産県を中心に優秀な様々な品種が出てきています。
今やイチゴの品種は200種類ほどになっています。
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